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冬馬くんが起きないまま五日が過ぎた。
飲まず食わずの冬馬くんは目に見えて細くなっていく。
それを私達はただ見守るしか出来なかった。
学校にいる間はとにかく私がメールをした。
夏生は「我慢しないことにした」と言ってたくせに遠慮してあまりメールをくれないけど、廓でひとりだなんて絶対不安だから休み時間の度にメールしまくった。
帰ったらすぐ夏生の元へ行き、冬馬くんの傍で寄り添い合いながら声を掛ける。
そんな日々が続いていた。
「板さん」
「おっ、波瑠ちゃん!…廓の様子はその後どうだい?」
「…あんまり…」
調理場は今日も忙しそうだ。
だけど板さんは手を止めて私の傍に来てくれる。
その顔は深刻だ。
「…だよなぁ。昼の膳だって、手付かずだったんだよ。夏…御世話様は御役目様と一緒になって食べないおつもりかい」
冬馬くんの状況と共に、もう一つ問題が出てきた。
…夏生が食事を摂らなくなったのだ。
夏生の気持ちは良くわかる。
起きない冬馬くんを眺めながらだなんて、食事が気持ち良く喉を通るはずもない。
冬馬くんほど目に見えた変化はないものの、疲れが滲む横顔を見ると胸が張り裂けそうになる。
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