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体に触れる、涼しく心地よい風。
眼下に広がる緑の多い中庭。
その中庭には、中央を茶色の煉瓦敷の小道が横切っていて、その両脇に木々や花が生い茂っている。
そしてその中庭を挟むように、少しくすんだ白色の校舎がそびえ立つ。
おれはまっすぐ前を見つめた。
青い空が大きく広がっていた。
おれが今いるのは、学校の校舎の最上階の渡り廊下の、
四角い手すりの上だった。
クラスのベランダには、野次馬が集まりつつある。
その中に、明らかに他の生徒とは外見の違う奴らが5人いた。
茶髪に染めた者や、耳にピアスをつけた者。
こっちを見て、にやにやと笑っている。
いつもの昼休みのざわざわとした喧騒が、今日はない。
それが何故か気持ち良かった。
もう、風の音しか聞こえない。
おれは今から、
公開自殺をする。
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