fall

3/5
前へ
/13ページ
次へ
この世の中が嫌いな訳じゃない。 おれはあの5人組を睨んだ。 あいつらが嫌いなんだ。 あいつらがいる。それだけでおれの世界は汚れてしまう。 あいつらの汚す世界に自分が存在している、と考えるだけで反吐がでる。 だから、おれはこの世界から消える。 でも、ただで消えるつもりはない。 おまえらを道連れにしてやる。 おれは学生服のポケットから、茶封筒を取り出した。 こいつはおまえらのために用意した地獄への片道切符。 生きながらその苦痛を味わえ。 あいつらを堕としてやる。 深い深い、絶望の深淵へと。 二度と這い上がれはしない所へ。 この命と引き換えに。 そんなどす黒い感情の渦巻くおれ自身に対して、言葉をかける者がいた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加