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土曜日の夜になり、父・隆正は、1人で飛鳥のアパートに向かった。
すると、飛鳥が携帯で話しているのが聞こえた。
「はい、では……で、7時30分に」
それは、隆正も知るレストランの名前だった。
(…やはり出かけるのか。わ、私が、後をつけるなど…)
しかし、隆正は運転手に連絡をしレストランまで行きバレないように離れた所から様子を見ていた。
飛鳥は、同じくらいの年齢の男性と食事をしながら話していた。
それから、2時間ほど経つと、飛鳥は相手と店を出る。
さらに、その後
2人は、しばらく話をしながら歩いて
人がいない静かな公園のベンチに座り話をしていた。
隆正は息をひそめ、何を話しているかと聞き耳をたてる。
(私は何をしているんだ…)
隆正は、自己嫌悪に陥(おちい)っていた。
その時だった。
「飛鳥。じゃあ、また来週会おうな」
飛鳥の唇に、相手がキスをした。
「!!!」
隆正は、ショックで体が震える。
「先輩…」
「じゃあな」
相手は、立ち上がり去って行った。
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