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「此処は、不思議の國のお茶会会場デスヨ。」
お茶会って、貴婦人でも集まってんのかよ?
こんな、キノコだらけの場所で?
「Un HAPPY BIRTHDAY、アリス。」
奴がティーカップを高く掲げるとあら不思議。その場所に長テーブルやら椅子やら…とても毒々しい紫やピンクのサイケデリックな色をしたお菓子。後は茶が現れましたとさ。
それより俺、アリスじゃない。
「さあ、アリス。どうぞ御座りくだサイ。」
恭しく椅子を引いて礼をする。
だから、アリスじゃない。
反抗した所で無駄だろう。どうせ街についたらまず警察だ。最悪出せなくても被害届くらい承け賜るだろう。
「さて、アリス。君はこの世界には来たばかりだね?」
「多分。」
曖昧に返す。なんだ、この世界とは。やはりオレの知る世界ではないのか。
「煮え切らない答えデスネ。はっきりしない男はもてませんよ。」
煮え切らなくてすいませんでしたね。オレにも事情がわからなくてね。
ついでに目の前のお菓子を摘む。異臭はないし、毒物らしい物は見られない。
「あ、毒はないから安心してくだサイ。」
そう準備した奴に言われても信じきれないが、とりあえず信じてみる。
あ、わりと甘酸っぱくて美味い。このマカロンいけるぞ。
「まず、この世界の仕組みから説明しましょうか。」
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