一日目③友達

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涙が溢れる。視界がぼやけている。 涙が止まらない。嗚咽を必死に堪える。 関係――無いはずないじゃないか。 ぼくとあいつは友達だったんだ。他人だったかもしれないけれど、それ以上に友達だったんだ。 あいつが死んで哀しい? そんなの当たり前だ。 胸が引き裂けそうなくらい哀しいに決まっている。 哀しい。苦しい。痛い。 「ぼくは――」 涙の味を感じながら、言った。 「あいつが死んだのが……すごく、嫌だ」 「はい」 「あいつがいなくなって、哀しい」 「はい」 「……っぐ……ひっ……う……」 もう言葉は出なかった。口の中は哀しみと嗚咽で一杯だった。 「今の私にあなたの哀しみを無くすことはできませんけど」 ふっと。背中越しに、感じるはずのない温もりが、伝わってくる。 「今はただ――あなたの傍に」 夜が、ふけてゆく。image=371873183.jpg
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