二日目①青空

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目覚めは快適だった。 嫌な夢も、発作に悩まされることもない。久しぶりに心地のよい朝。 ぼくはもぞもぞと寝返りを打ち―― 「むにゃむにゃ……お約束!」 そこにはゆうこさんがいた。すやすやと。ワンピースの肩紐がずれてどこか官能的に。眠っていた。 「……何してんのさ?」 ぱちりと、ゆうこさんの目が開く。 「はっ……おはようございます。昨日はとても甘い夜でしたね。ところで夜が甘いとは一体どういった表現なのでしょうね」 「知らないよ。寝起きなのに随分饒舌なんだね君は」 「えへへ」 「確かに褒めはしたけども」 起きる。 背伸びをする。 窓を開ける。 顔を洗う。 一連の動作をこなしたところで、ぼくは何だか久しぶりにペンを取った。 「書けるようになったんですか?」 「まあね」 そう答えたぼくの心中には、昨夜の出来事が鮮明に渦巻いていた。 あれだけ泣いたのは初めてだ。あんな温もりを感じたのは初めてだった。 友達が死んだのに、翌朝にはもう平常心を取り戻しているぼくは、薄情者なのかもしれない。けれど――。 横を見る。 ゆうこさんの綺麗な顔があった。 けれど、今は独りじゃない気がした。
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