一日目①序章

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ぼくの反応が薄いからか、どんどん自縛霊{ゆうこさん(仮)}の顔が引きつっていく。 とことこ。すとん。 そして、何事もなかったかのようにまた椅子に座った。 「――どうも、吹きすさぶ自縛霊こと幽霊のゆうこです。ゆうこさん、って呼んでください」 「へえ……あ、出口はあっちだよ」 「これはこれはどうもご丁寧に――ってえ、そっちは窓やないかい!」 もう一度振ってみたけれど、やっぱり面白くはなかった。ゆうこさんとやらがみるみる内に小さくなっていく――ような気がした。 「――それで、その吹きすさぶ自縛霊(笑)こと幽霊(笑)のゆうこさん(爆)がどうしてここにいるのかな?」 「口で笑笑言わないでくださいよ!そして何故か私の名前だけ爆だー!!」 なんというか、賑やかな人(?)だった。思わず病院ではお静かにという注意を忘れてしまうくらい。 こほん。 と、仕切り直しとばかりにゆうこさんが咳をする。手が小さいし顔も童顔なので、その大人っぽい仕草は全然似合っていなかった。 「――それにしても、全然驚かないんですね。私幽霊ですよ。こんな可愛い女の子なんですよ?病室に二人きりですよ?」 「まあ、信じてないしね。君が幽霊なんて。どこからどう見ても人間だし」 「むむぅ、スルースキルも一級ですかい。スペック高いですねえ。――では、証明して見せましょう」 言って。ゆうこさんが右手をパーにして掲げる。
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