一日目①序章

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不思議に思い、何度か繰り返すも結果は同じだった。狙いを外したわけじゃない。ぼくが生理的嫌悪感から、無意識に彼女を避けたという線もたぶんおそらくないだろう。 「ふっふーん」 何故か得意気に胸を張るゆうこさん。ぺったんこ。餅つき。真っ平ら。まな板の上の鯉。色んな言葉が思い浮かんだけど、口には出さなかった。 「――? どういうこと?」 「どうも何も、私が幽霊だからですよ。幽霊に人間は触れられません。常識です。あ、何なら胸にでもタッチしてみますか?出血大サービスです。血なんて流れてないんですけど。どうせ触れないですし」 調子に乗り始めた。 まあ、せっかくの機会なので、ぼくはまた手を振り上げる。 ふにゅん 「お――?」 「はい――?」 ふにゅん。むにゅん。 おぉ、無くてもやらかいんだ。新発見。 「い――」 い? 「いやぁぁぁぁぁああ!!」 生まれて初めて殴られた相手は、幽霊だった。グーだ。せめてパーにしてほしかった。
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