一日目①序章

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―――― 検証してみた。 どうやら、ぼくがゆうこさんに触れられないのは両の手――それも、ぼく側も手を使用した時だけらしい。 つまり、ゆうこさんはぼくを殴れるし。ぼくは手以外なら、ゆうこさんに触れる。 もう一度言う。 検証、したのだ。 「…………」 ゆうこさん、顔が真っ赤だった。さっきからずっとうつむいている。そろそろ彼女がここにいる理由を聞きたいのだけれども、とても訊ける雰囲気ではなかった。 「ところで、何の用なの?」 口はどこまでも正直だった。 ゆうこさんが顔を上げる。微妙に引きつった笑顔を浮かべていた。 「その前に、私が幽霊だと信じていただけましたか?」 「まあ、今まで手に触れられない人間は見たことが無いから」 「そうですか。私も頑張った甲斐がありました。つきましては一つお聞きしたいのですが、何故あなたは私の身体に触れらりゃれりゅのでしょうかっ」 噛んでいた。
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