予言

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「サイン、お願いしていいですか?」 「もちろん!」 「試合、頑張ってね!」 「まかせとけって」 女の子二人組みに差し出されたブリッツボールに、ささっとサインをした。 案外好みだ、この二人。 オレは、いいところを見せ付けてみたくなった。 「じゃあさ、今夜シュート決めたら・・・、こうすっから」 親指と人差し指だけ立てて、両手を上に掲げるポーズをしてみせた。 「それ、二人へのメッセージっつーことで!  席どこ?」 「東ブロックです、最前列!」 ショートの子が答える。 「あたし右から5番目ね!」 ロングの子も。 「了解ッス!」 「試合終わったら、待ってていい?」 「もちろん!」 「やったぁ!いい店知ってんだ」 一人一人と話している余裕はなかったけど、出来る限りサインに応えたり、握手に応じたり。
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