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澪「…どうやって?!」
鎮「澪」
急にお父さんの声のトーンが少し下がった。本気だ。この人本気で私を男子校に入れるつもりなんだ。
鎮「大丈夫や。お前なら」
何を根拠にって腹が立つけど、この安心感は本物だと思った。
鎮「だって、お前普通にしとっても男みたいな性格しとるしな!…………嘘です。ごめんなさい」
私はお父さんの首に当てていた包丁をゆっくりおろすと、テーブルにグサッと包丁を刺した。
澪「行かないって言ったら行かないから。今回ばっかはいくらなんでも無理」
鎮「…そない言うてももう遅いで!お前の部屋のもん、今日にでも学校に送る予定やからな」
部屋のもの…?
「失礼しやす。総長、お嬢の荷物を無事、学園のほうに運び終えました」
そう言って私と目が合うと、慎(シン)は慌てて逸らし、急いで逃げていった。
澪「…どういうこと?」
鎮「どうもこうも、七海谷学園言うたら全寮制の学校やし。あー、明日から寂しくなるなあ。」
澪「…」
こうして、私の男子校入りは強制に行われ、私は明らかに寂しがっていない両親に見送られながらも旅立ったのでした。
澪「って、納得できるわけないでしょおおぉぉぉぉ?!」
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