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僕が部隊に配属されてまず最初に受けた難関。
それは年上の部下がたくさんいたことだった。
階級が自分より下でも、経験豊富で気も強い陸士が大勢いた。
あいにく僕には階級を鼻にかけてふんぞり返る度胸はなかったし、何より少工時代にいたそういう先輩が大嫌いだった。
たとえ僕の方が自衛隊歴が長かろうと、部隊の仕事を多く経験しているのは向こうだ。
歳など関係なく、仕事経験が多ければその人はその仕事の上で、自分より先輩だ。
先輩の顔を立てるのは、少工2年生までの間にみっちり教え込まれた。
しばらくは同い年の一般隊員と掃除などの下っ端業務をした。
彼らは初め、こんな今時の少年らしからぬ僕を見て引いていたが、行動を共にするようになってから次第に打ち解けていった。
採用枠は違えども、彼らは同じ時期に部隊に入った「同期」だ。
同期の大切さも、少工で学んできたもののひとつだった。
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