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その後気まずい空気で自己紹介は最後の女子まで周り解散となった。
「さて…夏樹行こうか美女を求めて!」
「僕は求めてないよ?」
「いざっ!」
「おーい、無視ー?」
走り去る哲の背中をとりあえず追って走り出す。
一つ上の階、一年生の教室がある3階にたどり着くと教室を飛び跳ねながら覗き込む哲を見つけた。
周りの一年生は関わらないようにさけているようだ。
まぁ怪しい動きしてるからな。
僕もあんまり仲間と思われてもこま…
「おっ!おーい、こっちこっち!聞こえてないのかー?森川夏樹ー!心の友よー!」
哲、フルネームは勘弁してくれ…
あと心の友よーも…
その場から逃げようとUターンしたとこで
「夏樹!逃げんなって」
哲が僕をダッシュで引き止め教室側まで引きずっていく。
「わかったから!離して?」
「おーわりいわりい、それよりさあの子可愛くないか?」
掴んでいた手をパッと離し哲は教室の中にいる一人を指差した。
「あー、うんそーだね」
「夏樹そっけないな!」
「だって興味ないし」
「そういうなよ、ほら見るだけはタダだぜ?」
人を商品みたいな言い方するなよ哲…
とりあえず見たふりしとくか。
教室内をぐるっと見渡す。
その時、少し目をひく女子生徒がいた。
その女子生徒は一人、机に座り帰り支度もせず分厚い辞書のような本を読み耽っていた。
眼鏡をかけているからか、頭がいいイメージを見ている側に与える。
「ん?夏樹?…ほっほーぅ夏樹はああいう子がタイプか」
隣で哲がニタニタと笑っていた。
「違う。…なんとなく見てただけだよ」
「へぇー?ふーん、ほおー?」
哲のわざとらしい言動にいらつきながらも僕は踵を返し立ち去ろうとした。
「もういいでしょ?なんか疲れたし帰るよ」
「あ、待てよ!帰りにコンビニ寄ってこうぜ?」
「だから疲れたんだってば…」
「アイス一本奢る!」
「さぁ哲早くコンビニへ向かおうよ」
僕の足は素早く動きながらコンビニへ向かいはじめる。
後ろから走って哲も追いつき、近くのコンビニに寄って帰ることにした。
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