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コンビニに着いた僕達はとりあえず目的のアイスを選んでレジに持って行った。
時間が昼ということもあり、レジには結構なお客さんが弁当やらサンドイッチやらの食べ物系や飲み物系を持って並んでる人が多くいた。
「並んでる間にアイス溶けちゃうかもねー」
「じゃあ俺並んどくからアイス一旦置いてこい。次になったら取りに行けばいいし」
「そうだね、じゃあ置いてくるよ」
僕は二人分のアイスをアイス置き場に戻して哲のとこに戻った。
「ただいま…。ん?哲?」
並んでいた哲の様子がおかしかった。
放心状態とでも言うのだろうか。
目は見開かれ、口はあんぐりと開いている。
「哲~?」
軽く揺さぶってみる。
「…」
反応がない。なら…
「てやっ」
「ぐはっ!」
目潰しをしてみた。哲は目を両手で覆い隠しじたばた暴れる。
「夏樹っ!何するんだよ?」
「哲がぼーっとしてたから目潰しをしてみました。なんかあったの?」
「それがさ!あのレジの人見てみろよ?」
哲は自分の並んでるレジの店員さんを指差す。
綺麗な黒い長髪の女性だった。いかにもお姉さんというタイプに見える。
「あの人がどうしたの?」
「…美人だと思わないか?」
なんだまたそっちの話しか。
「哲…それしかないの?」
「だって綺麗じゃん!事実じゃん!俺あとで声かけよ!」
全く、哲にはあきれっぱなしだ。
「はいはい。あ、次だね。アイス取ってくるよ」
僕は走ってアイスを取りに行き哲のところに戻る。
「なんかドキドキしてきた…!あの面接前みたいなさ!」
「わかったから、ほらお金お金」
僕がアイスを置き、哲は慌てて財布をだしている。
その間レジの女性はずっとにっこりと微笑んでいた。
見事な営業スマイルだな。いや本当の笑顔なんだろうか。
そんなことを考えていると、哲がやっとお金を出しおえた。僕がアイスを受け取りお釣りを貰って出ようとしたときに、
「あ、あのっお名前教えてもらっていいっすか?」
テンパり気味に哲が名前を聞き出していた。
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