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ある小さな町の片隅
人通りの少ない暗い場所に小さな科学研究所があった。
そこで研究をしているのは1人の中年の男だった。
自分を理解してくれる人もいなく、孤独な人生でその男は研究所にしか居場所がなかった。
男は小さい頃から何も出来ない意気地なしだったが誰にも負けないほどの優しい心を持っていたので人に好かれていた。だがその優しさだけでは社会で通用するはずもなく、次第に男の周りには人がいなくなっていった。
その寂しさを誰かに知ってほしくて、ロボットに心を作ろうと決めた。
まだ感情がないロボット
だったが毎日話しかけ何をするにしても一緒になっていた。
けれども何年経ってもロボットの心の研究は失敗の連続で成功する事は一度もなかった。
孤独な科学者は命の終わりまでロボットの心を
研究し続けたが生きている間作り上げる事は出来なかった。
「ごめんな、やっぱり俺には出来なかった。でもお前がそばにいてくれたからいつも1人ぢゃなかった。今幸せだよ、ありがとう。」
男は小さな科学研究所のロボットの前で永遠の眠りについた。
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