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「畏まりました。ではシン様。私についてきて下さい」
アイと呼ばれた女性はそう言って、シンに一礼し、広間の右側の階段を登り、二階の右側の通路に歩いていった。
一分程度、後ろをついて行くと、少し大きめなドアの前でアイが立ち止まった。
「此処がお客様用の部屋になります。では夕飯の支度が出来ましたらお呼びいたしますので、それまではごゆっくりおくつろぎ下さいませ」
アイはそう言い、着た道を戻っていった。シンは案内された部屋に入ると、大きなベッドに柔らかそうなソファー、光沢のある黒いテーブルと黒い椅子が部屋にあった。
意外とあちらの‘世界’と家具の類は変わらないことにシンは安堵を覚えつつ、ベッドに横になり、今まであったことを振り返り、ため息をついた。
「本当に違う‘世界’に来たんだな…。なんか、実感湧かないが…まぁ、今日からこの‘世界’で生きていくんだ。少しずつでも馴染んでいかないとな」
そう呟くと疲れから来る眠気に身を任せ、ゆっくりとまぶたを閉じた。
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