一章 新たな‘世界’

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その後、馬車に乗せてもらい、道中ギルバートに様々なことを聞いた。ギルバートはどんな質問にも笑顔で答えてくれた。そのお陰で様々なことが分かった。 一つ目、魔法使いになるために必要な魔力は誰でも持っているわけでは無いということ。シンはコレが最も驚いた。てっきり大なり小なり皆、魔力を持っているものだと思っていたからだ。 二つ目、クレイルのローグ魔法学院はこの‘世界’では最高規模の大きさで英雄や大魔導師、賢者と謳われている者の半分以上はローグ魔法学院の出身だということ。 三つ目、魔物と呼ばれる存在がいること。流石にこの質問は真っ正面からではなくそれとなく聞いたが…。 四つ目、ギルバートは貴族だということ。物腰から何となくただの商人では無いと思ったが、公爵という位を聞いたときには流石に驚いた。 五つ目、ギルドと呼ばれる民間の便利屋のような組織が存在すること。その中でも上位ランクの人間には国から軍の階級、そして二つ名を与えられること。 六つ目、飛翔を長時間使える魔法使いは学院でも少ないとのことであった。 実は飛翔は本来、風を魔力で操り自らの体を動かすという中々に魔力を消費するものなのだが、シンは重力を理解しているため、重力に逆らう力をイメージして魔力を消費しており、自然の力を操る本来の飛翔より、自分に馴染み深い重力とは逆の力をイメージで作り上げることの方がイメージしやすく魔力消費が通常よりも少量で済むのである。
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