我が故郷

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 傲慢な物言いを許して頂きたいと前述しておく。  基本的に何不自由無い我々の地元であるが、ある町の存在が強く影響してくる。そう、お隣の大阪府である。土地が狭く、至るところに川が流れる水の都である。その土地の狭さからは想像もつかない程の人口を誇る。  和歌山市に住む学生達は、何か買い物をする度大阪へ出かける者も少なくはない。なんば やなんかまでは電車で1~2時間で着くのだ。心斎橋まで歩き、服を買い、日用品を買い、靴やら鞄やら、その他諸々を見て回る。日本橋を練り歩き、CDやら、漫画やら、少しコアな所で言えばアニメの初回限定のやつを買い、片手間にゲームセンター等覗き、どこぞの喫茶店のメイドさんから半強制的にチラシを手渡される。  地元で揃うものもあるが、無ければ大阪まで行く。和歌山市の学生達にとって、それは宿命である。  つまり若者達にとって、和歌山にあって大阪に無い物などあり得ないのだ。
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