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「……なんだよ、コレ」
目がチカチカしそうなぐらい派手な色合いのポスターに隼人は戸惑っていた。
陸哉が見せるのを渋るのが理解できるぐらい、いかにも見た目が怪しい。
"短期間で高収入!"
"簡単♪安全♪楽チン♪"
ありがちな宣伝文句がでかでかと書かれている。
が、肝心の内容とか金額が一切記載されていなかった。
「この会社、ドリームキャッチャーって言うのか?どこまでも怪しいな。」
隼人は小さくため息をついてそう言った。
至極当たり前の意見だし、陸哉もわかっていたので余り落胆はしなかった。
「そもそもこれ、どこから貰ってきたんだ?」
「知らん。配ってたのを柚子が貰ってきたらしい。だから文句は柚子に言えよな」
陸哉は責任を全て柚子に押し付けると、すっかり冷めてしまった珈琲を啜る。
癖になるような苦い味が口の中に広がり、聞こえてきた亮平の声に陸哉はむせ返りそうになった。
「でもさー……。怪しいけど、俺ちょっと興味あるんだけど」
「……まぁ、俺も気になるはなるけどな。陸哉はどう思う?」
癖っ毛を指先で直しながら、陸哉は考えるふりをして首を捻った。
亮平はまだしも、隼人がここまで食いついてくるのは予想外だったんだ。
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