第1話〔死神現る〕

7/16

40人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
『私を殺しにきたの?』 〔殺しって人聞きが悪いな。魂を獲(か)りに来たんだよ〕 『あっそうなの?……って同じでしょ!!』 誰も居ない場所に向かい怒鳴り散らしている霞の姿は、はたから見たら怖い。 〔いや、まぁそうなるのかな……って、ちょっと待ってよ〕 霞はフラつきながら歩き出す。 何がなんだか分からない。 不幸不幸だと自覚はしていたが、ここまで不幸だとは霞自身思いもしなかった。 霊なら未だしも、死神って…… 『ねぇ彼女、何してんの~?』 『一緒に遊ぼうよ』 前に立ちはだかる二人の男。 茶髪に色黒と身長の高い赤髪の男。 『遊びません!!』 霞は大声を上げるが、男二人は笑いながら距離を詰めていく。 次第に二人に挟まれる形になり逃げ場がなくなった。 〔何だこいつ等?〕 肉体のある死神は赤髪の男の真横で見ているが、赤髪の男には当然見えるはずもない。 一方、霞は茶髪の男に腕を掴まれ身動きが出来なくなった。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加