40人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
『私を殺しにきたの?』
〔殺しって人聞きが悪いな。魂を獲(か)りに来たんだよ〕
『あっそうなの?……って同じでしょ!!』
誰も居ない場所に向かい怒鳴り散らしている霞の姿は、はたから見たら怖い。
〔いや、まぁそうなるのかな……って、ちょっと待ってよ〕
霞はフラつきながら歩き出す。
何がなんだか分からない。
不幸不幸だと自覚はしていたが、ここまで不幸だとは霞自身思いもしなかった。
霊なら未だしも、死神って……
『ねぇ彼女、何してんの~?』
『一緒に遊ぼうよ』
前に立ちはだかる二人の男。
茶髪に色黒と身長の高い赤髪の男。
『遊びません!!』
霞は大声を上げるが、男二人は笑いながら距離を詰めていく。
次第に二人に挟まれる形になり逃げ場がなくなった。
〔何だこいつ等?〕
肉体のある死神は赤髪の男の真横で見ているが、赤髪の男には当然見えるはずもない。
一方、霞は茶髪の男に腕を掴まれ身動きが出来なくなった。
最初のコメントを投稿しよう!