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『ちょっと離してよ!! 私に近づくと不幸が訪れるわよ!!』
『不幸? 何だそりゃ。俺達には不幸ってより君みたいな可愛い子と遊べて幸運なんだけどさ』
馬鹿みたいに、やらしい笑い顔を見せる茶髪の男。
赤髪の男もつられてやらしい顔になっている。
『ふざけないでよ!!』
その時、バサッと音と共に霞の目に信じがたいモノが飛び込んできた。
明らかに何も無い空間から漆黒のローブを身に纏い、漆黒の黒髪を風に靡かせ、そしてカラコンなら有り得るが、通常なら「この世には有り得ない赤い瞳」を持った男が現れた。
『この姿……まさか、さっきの死神?』
霞は見覚えがあった。
だってさっき洋服店のガラスに映っていた姿と同じだったから。
〔悪いんだけどさ、その人間に用があるのは俺なんだけど〕
『あぁ? なんだテメェは。変な事言ってっとぶっ飛ばすぞ!!』
赤髪の男が近寄り拳を振り上げ顔目掛けて殴るが、黒髪の男はビクともしない。
〔……君、人間にしては良い度胸をしてるなぁ。自分の立場を弁えずに、端くれといえど神に手を挙げるなんて〕
『な、なんだコイツ……』
漆黒の髪の男の右手には2メートルはあるだろう、黒くそしてキッチリ研がれた刃の付いた大鎌が現れた。
〔俺に手を挙げた罪は重いよ。覚悟する事だね〕
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