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近くの公園まで行き、人目のつかない木陰でローブから出る霞。
そして振り返ると、今はハッキリとその姿が確認できる。
『信じらんない……貴方何者?』
〔いや、だから死神だけど?〕
『死神って生者の魂を刈るんでしょ? 何で助けたのよ。
それに、死神って骸骨なんじゃないの?』
霞は至って冷静に疑問をぶつけた。
〔あぁ、答える前にその変な知識を訂正しようか〕
死神は丁寧に死神について語りはじめた。
まず死神の中には肉体が朽ち果てた骸の姿のヤツもいるけど、全部が全部そうじゃない事。
死神という存在は、確かに魂を獲るけど、むやみに獲っている訳じゃない。
生者を殺める為に魂を獲るのは混沌から生まれた邪悪な死神で、本来の死神が魂を獲ると言う意味は、
「魂だけの存在で現世に存在し、さ迷い、悪霊化するのを防ぎ、その魂を冥府へと導く為」
全部が全部、悪い死神ばかりでは無いと言う事をゆっくり説明した。
〔で、解った?〕
『解らないけど解ったわ。
でも、じゃあ何で私の魂を獲りに来たの?』
〔仕事だからだよ。冥府神から君の魂を獲るように言われて来たんだ〕
『仕事って……貴方、言ってる事とやってる事が目茶苦茶じゃない!!』
〔いや~、そんな事言われても……〕
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