第1話〔死神現る〕

10/16

40人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
近くの公園まで行き、人目のつかない木陰でローブから出る霞。 そして振り返ると、今はハッキリとその姿が確認できる。 『信じらんない……貴方何者?』 〔いや、だから死神だけど?〕 『死神って生者の魂を刈るんでしょ? 何で助けたのよ。 それに、死神って骸骨なんじゃないの?』 霞は至って冷静に疑問をぶつけた。 〔あぁ、答える前にその変な知識を訂正しようか〕 死神は丁寧に死神について語りはじめた。 まず死神の中には肉体が朽ち果てた骸の姿のヤツもいるけど、全部が全部そうじゃない事。 死神という存在は、確かに魂を獲るけど、むやみに獲っている訳じゃない。 生者を殺める為に魂を獲るのは混沌から生まれた邪悪な死神で、本来の死神が魂を獲ると言う意味は、 「魂だけの存在で現世に存在し、さ迷い、悪霊化するのを防ぎ、その魂を冥府へと導く為」 全部が全部、悪い死神ばかりでは無いと言う事をゆっくり説明した。 〔で、解った?〕 『解らないけど解ったわ。 でも、じゃあ何で私の魂を獲りに来たの?』 〔仕事だからだよ。冥府神から君の魂を獲るように言われて来たんだ〕 『仕事って……貴方、言ってる事とやってる事が目茶苦茶じゃない!!』 〔いや~、そんな事言われても……〕
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加