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色々話を聞くと理解できる部分と理解できない部分がある。
だがそれ以前に「俺は死神だ」と言う割には、所々弱々しく見えるその男の姿に霞は溜め息混じりに吹き出しはじめる。
『ねぇ、確かにさっきは姿見えなかったから幽霊とかそっち系統の存在だと思うけど、本当に貴方って死神なの?』
〔だから、それは何度も言ってるよね? 俺は死神なの〕
『……何故だろう。不思議とその点だけが引っ掛かるんだけど』
腕を組ながら細目で死神を見る霞に、言葉での説明を諦めたのか急に右手を前に出し手を開く死神。
『な、何?』
〔今から君の、命の蝋燭を見せるよ〕
『命の蝋燭? なんかテレビで見た事あったような』
〔テレビでって……今から見せるのは本物だよ〕
すると、死神の開いた手の平から蝋燭が延びてきた。
見た感じマジックっぽいがリアリティがある。
そして出てきた蝋燭は一見普通に市販されている蝋燭に見えるが、良く見ると炎は赤色ではなく青色だ。
それに、蝋燭の中心に何か書いてある。
『アマノ…カスミ……って私の名前じゃない!!
どうして私の名前が書いてあるのよ!?』
〔だから言ったよね。これは、君の命の蝋燭だって〕
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