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〔この蝋燭の長さが君の寿命で、炎の大きさが大きければ大きい程、生命力・活力に溢れ元気いっぱい。
でもその逆なら、体を壊して病気になったり怪我したり、下手したら命そのものに関わる事になる。
蝋燭自体の長さも似たような物。
長ければ長生き、短ければ短命。
太ければ、ちょっとした事ではまず死なない。
けど、細かったらちょっとした事でも命に関わる。
そして君の蝋燭は……〕
いままで流暢に話をしていた死神は霞の命の蝋燭を見て少し吹き出した。
『ちょっと、何で吹き出すのよ』
死神は左手から、右手同様に蝋燭を出した。
その蝋燭の炎は大きく、長く、太い。
〔これは君と同じ年代の全く違う人間の蝋燭だけど、これと比べたら君の蝋燭の炎の大きさは小さく、蝋燭の太さは細く、長さは短いね〕
確かに比べてみると全てが二周りくらい小さい。
『……やっぱり私って不幸なのね。
ねぇその蝋燭って不幸なのも関係あるの?』
〔全く関係ないとは言えないかな。不幸って言うのは運命の波の一つだからね。
でも君は不幸ではないよ〕
『不幸じゃない? いやいや!! 不幸でしょ。
何が好きで死神に追い掛けられて命狙われなきゃならないのよ。これを不幸と言わずに何て言うのよ!!』
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