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『ねぇ、気になったんだけどさ。今、私は貴方の姿を見てるわよね?
私に見えてるって事は他の人にも見えてるって事?』
死神は蝋燭を消しながら言う。
〔この状態なら見えてるハズだね。
死神は霊体の一つでもあるけど、存在自体が特殊なんだ。
最初みたいに完全に姿を消す事も出来るし、今みたいに実体化して姿を見せる事も出来る。
声は今の状態なら他の人間にも聞こえるけど、姿を完全に消した場合は死神が接触した・または接触するターゲットにのみ声は聞こえる〕
『ふーん……だったら、ずっとそれでいなさいよ』
〔なんで?〕
『姿が見えない時に話してたら私が可笑しく見えるでしょ?
姿が見えてれば不思議じゃないし。
って言っても、その格好じゃ危ない宗教にしか見えないわね』
死神の漆黒のローブに素足という姿を見て溜め息する霞。
〔死神みて溜め息とは失礼だよ君は〕
『霞。私の名前は天野霞』
〔何、名前で読んでほしいの?〕
『私は悪霊でも死神でも無いちゃんと名前のある人間なの!!』
〔わ、わかったよ。名前で呼べばいいんだろ?〕
人間の天野 霞に完全に押され気味の死神。
この死神は態度だけ見れば完全なる草食系だ。
想像や聞いたりしていた死神の姿とは違く、完全に裏切られた気分の霞だが、疑問は沢山あるが恐怖心は完全に無くなっていた。
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