第1話〔死神現る〕

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〔やっぱり消えない……〕 と、苦笑いする死神。 数分前に移動するからと姿を消そうとした死神だが、どうやらさっき逃げる際に霞をローブの中に入れたのが原因で姿を消せなくなったらしい。 『ちょっと、どうするの?』 〔宙には浮けるんだけど〕 フワフワと宙に浮く死神。 霞は呆れて何も言えない。 『ちょっと待ってて』 〔まさか逃げる気? だとしたら無駄だよ〕 『無駄なのは、さっきので解ったわよ。 そんな格好で着いて来られたら私が困るから、服買ってきてあげる』 〔死神の俺に人間の服を着ろって言うのか!!〕 『貴方、さっき死神は神に名を連ねてるって言ってたわよね? その神様が人間に後ろ指を差されて笑われるのは嫌でしょ』 〔確かに……〕 『だったら任せてよ』 霞は走って服を買いに行った。 〔なんで俺が人間の世話にならないといけないんだ……ってか何で姿消せなくなったんだろ?〕 死神は木陰で腰を降ろし、あぐらをかきながら腕を組み首を傾げていた。
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