プロローグ

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世の中には、存在はしているが目に見えない物がある。 その一つ「神」という存在。 一言で神と言っても善神や邪神、様々な神が存在していて様々な神が世界を見守っているが、その神の中で死を司り現世にいる生者の魂を獲(か)る事が出来る者が存在する。 そう、それは「死神」。 一般的に想像される死神のイメージのとは 「大きな鎌を持ち、漆黒のローブを身に纏い、その体は朽ち果てた骸」 と、思う人は少なくない。 薄暗く声一つ聞こえない静寂に包まれ、明かりがほとんど無い場所。 明かりの元と言えば、不規則や規則正しく並べられた無数の蝋燭のみ。 そこは死者が集まる冥界。 平たく言えば「あの世」だ。 その一角には、冥府神と呼ばれる冥界で最高位の神と、死者に対し天国行きか冥界に留まるかを判決する閻魔、そして死神の三主神しか立ち入る事が出来ない場所がある。 今そこには、巨大な鎌を肩で担ぎ漆黒のローブを身に纏う人間の姿をした死神がいた。 だが体は骸ではなく、ちゃんとした肉体が存在している。 身丈は170センチ程。 黒髪を靡かせ、その瞳は獲物を狩る獣の様で宝石のルビーの様に紅い瞳。 時折ローブから見え隠れする体は筋肉質だと分かる。
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