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《「丁度良い」女(人間)を見つけ、追ってきたら面白い者が居るな。
何故、ここに死神がいる?
しかも人間の服を着ている……不可解極まりないな。》
その男の声は、人間の地声と、それとは違う低い唸り声が二重音声の様に聞こえている。
そして次第に公園全体を包むかの様にひんやりと気温が下がっていく。
〔悪いけど答える必要は無いよ。
それとさっきの人間の魂は、俺が冥府神から命を受けた者。
悪霊のお前に憑かせる訳にはいかないんでね……
立場上、「許可無く」を獲る事は許可されてはいないんだけど……〕
そう言った時、カイの紅い目は光りはじめ右手には2メートルを越え綺麗に磨がれた刃の付いた巨大な大鎌が現れた。
またその時、カイの声質も変化する。
さっきまで話していた、ひ弱そうな声とは全く違い、そう、その一言だけで生きる者の生気を吸い取るような低い声。
〔これ以上、神格に位置する我が死神の領分に足を踏み入れるのならば、悪霊と言えどタダでは済まない
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