プロローグ

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その場所には、肉体を持つ死神以外にもう一体の死神も貴殿いた。 その死神は、肉体は無く骸の姿をしていて、そこに存在している雰囲気だけで上位の死神だと分かる程の威圧感がある。 そして低い声が響く。 『冥府神。この者が以前言っていた新米の死神ですが……本当に、この者に仕事を?』 骸の死神が顔を向ける先には、冥府神と呼ばれた人間に近い容姿をした存在が見えるが暗過ぎてハッキリとは確認できない。 だが一つだけ解るのは、場所に似合わない金色の長髪と全てを見透かすような金色の瞳を持っているという事。 『……成る程、面白い。もっと近くに寄れ』 冥府神は肉体を持つ死神に向け静かに言い放つ。 『お前に、死神としての仕事を与える』 『仕事……ですか。俺に出来ます?』 死神とも思えぬ言葉に、骸の死神は怒鳴り付けるように言い放つ。 『キサマッ!! 下っ端とはいえ、神に名を連ねる死神の一体だろう!! もっと自覚を持たぬか!!』 『そんな怒鳴らなくても……』 肉体のある死神は肩をビクッとさせ弱々しく言う。 それを見た冥府神はフフっと鼻で笑い話しを続けた。
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