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倒れ込んだ男は気が戻ったらしく、頭をかきながら戻って行った。
霞は公園のベンチで足を抱えながら俯いている。
気付けば、辺りはもう夕暮れになっていた。
〔いつまでそうしてるの?
まぁ俺的に夜は大歓迎なんだけど〕
カイは霞の隣に座り、被っていた帽子を霞の頭に被せる。
〔この時間は眩しい光はないから、俺には必要ないからね〕
『……なんで私がこんな目に遭わないといけないの?
今まで幽霊なんて見た事無かったのに…
ねぇカイは死神なんだよね?……教えてよ。
何で今日になって、いきなりこんな目に遭わないといけないの!?』
涙ながらに言う霞に、困った表情のカイ。
〔いやー、なんでって言われても〕
『カイが現れてからだよ……もうついて来ないで』
霞は帽子を深く被りゆっくり歩きだした。
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