第2話〔不思議な関係〕

11/15

40人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
倒れ込んだ男は気が戻ったらしく、頭をかきながら戻って行った。 霞は公園のベンチで足を抱えながら俯いている。 気付けば、辺りはもう夕暮れになっていた。 〔いつまでそうしてるの? まぁ俺的に夜は大歓迎なんだけど〕 カイは霞の隣に座り、被っていた帽子を霞の頭に被せる。 〔この時間は眩しい光はないから、俺には必要ないからね〕 『……なんで私がこんな目に遭わないといけないの? 今まで幽霊なんて見た事無かったのに… ねぇカイは死神なんだよね?……教えてよ。 何で今日になって、いきなりこんな目に遭わないといけないの!?』 涙ながらに言う霞に、困った表情のカイ。 〔いやー、なんでって言われても〕 『カイが現れてからだよ……もうついて来ないで』 霞は帽子を深く被りゆっくり歩きだした。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加