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『自信がなければ、自覚するのも難しかろ?
お前に与える仕事は……』
そう言うと同時に一つの蝋燭の火が巨大化し、そこに一人の人間の姿を映し出した。
『あのー、この人間が何か?』
『お前にはこの人間の女の魂を獲ってきてもらう。
それが、お前に与える仕事だ』
『たかが人間一人の魂だ。
新米といえど難しくはあるまい?』
と、骸の死神は持っている鎌で巨大化した火を切ると元の大きさに戻った。
『まぁ取り合えず現世に行ってきます』
肉体のある死神は闇に溶けるように消えた。
『冥府神、本当に良かったのですか?
確かに死神の一体ではありますが、あの者はまだ…』
『だからこそ仕事を与えたのだ。
長い目で見るとしよう。
それより、あまり怒ると今よりシワが増えるぞ』
『……冥府神。シワが増える前にヒビが増えます(骸骨なんで)』
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