第1話〔死神現る〕

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今、霞がフリーターなのも小さな不幸が原因。 高校在学中に面接を受ける会社にバスに乗り向かう途中、バスが故障し停車。 バスから降り走るが、途中で大ゴケをかまし履歴書がin the ドブ…… もちろん会社には間に合わず、履歴書も拾えず、体中は傷だらけ。 気持ちを切り替え、別の日に第二志望の会社の面接を受け採用となる。 だが、卒業後これから新しい人生が……って時に入社二日目に社長が夜逃げ。 三日間、開いた口が閉じる事は無かった。 何度、開いた口から魂が飛び出ようとした事か…… 『ふっ……思い出しただけで笑えるわね』 今、霞の目は遠い世界を見ています。 更に付け加えて言うなら、 新しく買った靴を履いて一歩踏み出した瞬間に、両足の靴紐が同時に切れた。 落ちていた500円を拾い喜んでいたら、その日、いつの間にか財布を落としていた。 コンビニで買った飲食物が賞味期限切れなどはざらにある…… 『私……不幸過ぎるわ』 通行人が通る度に「うわっ!!」とか「キャ!!」とか「ヒィ~!!」とか様々な叫び声をあげ、ガラス越しで顔を引き攣らせている。 それもそのはず。 ガラス越しに移る霞は、目は白目、笑みを浮かべ口が開いたまま。 そのまま、お化け屋敷にいても不思議ではないリアリティーのある表情。
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