第1話〔死神現る〕

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〔いや、だから〕 と、今度は声と同時に肩を叩かれた感覚があった。 だが振り向けば誰も居ない。 『今、確かに肩を叩かれた様な……』 〔やっぱり今は見えないのか、でも目の前のガラス見てみなよ〕 霞はふとガラスを見る。 そして振り返り、ガラスを見てまた振り返り、またガラスを見てを三度繰り返し、固まり動かなくなった。 何故なら、確かにガラスには霞の後ろに人がいる。 だが振り返るといない。 霞、一時思考停止。 〔あのー、見えたかな?〕 『……い、嫌ーーーー!!』 霞は叫びながら走り出す。 そして思った。 「幽霊にナンパされるなんて、私は不幸を極めたのねーーーー!!」 走り去る霞を見る「それ」は肉体のある死神。 〔あっ、ちょっと!! あの話が…… 声掛けるのが、少し怖かったのかな?〕 この死神、全く自覚無し。
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