40人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
〔いや、だから〕
と、今度は声と同時に肩を叩かれた感覚があった。
だが振り向けば誰も居ない。
『今、確かに肩を叩かれた様な……』
〔やっぱり今は見えないのか、でも目の前のガラス見てみなよ〕
霞はふとガラスを見る。
そして振り返り、ガラスを見てまた振り返り、またガラスを見てを三度繰り返し、固まり動かなくなった。
何故なら、確かにガラスには霞の後ろに人がいる。
だが振り返るといない。
霞、一時思考停止。
〔あのー、見えたかな?〕
『……い、嫌ーーーー!!』
霞は叫びながら走り出す。
そして思った。
「幽霊にナンパされるなんて、私は不幸を極めたのねーーーー!!」
走り去る霞を見る「それ」は肉体のある死神。
〔あっ、ちょっと!! あの話が……
声掛けるのが、少し怖かったのかな?〕
この死神、全く自覚無し。
最初のコメントを投稿しよう!