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人差し指を太股に。
その内側に滑らせ、ゆっくりと股へ近付けていく。
触り心地は柔らかい。
男のそれとは似ても似つかない、得体の知れないものを突いているような気さえする。
しかしそれは敏感だ。
焦らすように緩慢な速度で指を滑らせているのに、そこの感覚は鋭い。
電気的で、ピリピリとした刺激。
僅かに強くしただけで、じんと体に染みてくる。
「ぁ……っ」
声まで漏れる。
……いや、漏れるのはそれだけじゃない。
尻の下にあるシーツの感触が硬く、触り心地さえ刺激に。
吐く息が震える。
わなわなとする唇に合わせ、湿度の濃い空気を吸う。
体を包み込むたゆたうような倦怠感が心地良い。
進む指は、ついに太股から別の部分へと移る。
指への感触は固くなり、質も変わる。
それは刺激もだ。
「ふぁ……っ」
こんなにも甘美な声をあげてしまう。
けど、それさえも快楽への潤滑油。
滑らかな指の動きに合わせるよう、思考が次第にシフトしていく。
甘く霧がかった、蜜のようなそれに。
「は、はぁ……ん……っ」
息が漏れ、絞り出すようにか細い声。
低下していく思考の代わりに動くのは、自身の指。
急く気持ちとは裏腹に、周りから撫でつけるように指が動いていく。
動きは早くなるも、近づく速度は遅く。
高まりゆく快感が、すべてを変えていく。
……これだけは、やめらんないよな……。
言い訳がましい思考は霧散し、指の動きは加速。
すっかり慣れたその動きは、もはや手癖のように染み着いていた――
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