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ある日の出来事
ある晴れた日の出来事です
私が住宅街を歩いていると
突拍子もなく空から女の子が堕ちてきました
その子の体はとても細く
生クリームのように真っ白で
着ていたワンピースだけが血に染まっていました
私はその子を連れて帰ると
まず血まみれのワンピースを脱がせました
傷は見当たりません
きっとこの血は傷ついた少女の心を具現化させただけなのだと確信したところで
私はその子を浴槽にいれました
汚れた彼女をシャワーで流すと
より一層美しくなり
私は我慢でいっぱいでした
水を拭きとりベットに寝かせます
輝く全裸の美しい女の子を
私はこれから殺すのです
いえ、彼女はもともと死んでいるのですから
きちんと葬ってあげるだけ
この世に未練が残らぬよう
美しく最期を飾るのです
右手にもったカッターで
胸の辺りを切り開くと
まだ暖かい血液が溢れだし
零れる前に飲みほします
彼女の血と私の血が混ざり合うのを感じていると
次第に意識が遠のいていきました
しばらくして目を覚ますと
彼女の死体が消えていました
正確にいえば彼女の死体は消え、私は彼女になっていました
細い身体
白い肌
私は彼女になったのです
血まみれのシーツを身体にまとい
私は窓から飛び出しました
彼女になった私の体は
空だって飛べるのです
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