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私立白鳳総合大学。
偏差値59。所在地、東京。
安田亮介の第一印象は
(ああ…こんなものか)だった。
確かに、通っていた高校より断然広いキャンパスに呆然としたのは否めない。
でも、くすんで見えた。
「おい亮介、六巻」
スラムダンクの漫画で手を振りながら、拓海が言った。
古田拓海は大学初日にすぐ出会った友人だ。
高い背丈が特徴なのと、やたらけちん坊だ。
「新品?」と、亮介はタバコをくわえて言った。
堂々と吸えるまで、後二年程かかるが、特に気にしなかった。
「そんなワケいだろ。古市だ」
「ケチ」
言ってみたが、亮介もあまり贅沢な人間じゃなかった。
口に入れる物には、少しだけ気を使った。
タバコも、あの格別に安い、200円もしないような物は吸わなかった。
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