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文句を言いつつ、しかしこれだけ豊富な料理が並んでいると、食欲は沸いてくる。
端から端まで、好物ばかり。
ちょうど中頃の、メインディッシュが並ぶ辺りで、亮介は目を疑った。
人一倍、小さな背。
細い肩だが、いまいちくびれのない腰。
そして、一瞬だけ見えた、あの愛しかった横顔。
「二宮先生…?」
人違いなら、それでいい。
期待もしない。
別にもう、感情は消した。
女が振り向く。
間違いない。
二宮裕子先生だった。
裕子はハッとした顔で、亮介を見つめた。
そして、おそらく確信したのだろうか、あの人懐っこい笑顔を久しぶりに見せた
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