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階段を駆け降りて、2年生の階へ。
走って、走って、ニナを探す。
俺は、ニナがいないとすぐ不安になる。
駄目なんだ、ニナがいないと……俺は。
フワリ、香る。
鼻腔をくすぐる、微かなペパーミントの香り。
俺の首筋や手首からも同じ匂いが漂う。
角を曲がった時、猫背気味の小さな背中を見つけた。周りに2、3人見知った顔が見える。
にゃろぉ、アイツらサボッたな~。
さっきよりも走る速度を上げてニナを呼んだ。
「ニナっ!!」
「…大ちゃん?」
振り返ったニナをそのまま抱き締めた。
周りの3人が「あっ!」と声をあげる。
ニナの香りと俺の香りが重なり、同化する。
パチン、弾けて、薫る。
甘く、切ない、ペパーミント。
(ニナの匂いだ~)
(大ちゃん、苦しいよ)
(((ずるいよな~鎖依くん)))
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