99人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
「今日俺こっちだから」
「そうか。じゃあな」
宏人と別れると、俺は総合病院に向かった。
「よう」
「あ、翔」
病室にいるのは、俺の幼馴染みの緑川楓。
ある事件に巻き込まれ、今は入院をしている。
「調子は?」
「いいよ」
「そうか」
俺は近くにあったパイプ椅子に座った。
「おばさん、見舞いに来てんの?」
「来てない。あの人、忙しいから。でも・・・」
「でも?」
楓は頬を赤く染めながら俯いた。
「翔が来てくれてるだけで、私は救われてるから」
「ならよかったよ」
俺は楓の頭を撫でた。
「あれ?おじさんは?」
「今日は仕事みたい」
「珍しいな」
楓のお父さんは、どっかの製薬会社に勤務している。
結構重要なポストなのにあまり仕事に行かなくていいらしい。
最初のコメントを投稿しよう!