現れたS/ファースト・コンタクト

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「今日俺こっちだから」 「そうか。じゃあな」 宏人と別れると、俺は総合病院に向かった。 「よう」 「あ、翔」 病室にいるのは、俺の幼馴染みの緑川楓(ミドリカワカエデ)。 ある事件に巻き込まれ、今は入院をしている。 「調子は?」 「いいよ」 「そうか」 俺は近くにあったパイプ椅子に座った。 「おばさん、見舞いに来てんの?」 「来てない。あの人、忙しいから。でも・・・」 「でも?」 楓は頬を赤く染めながら俯いた。 「翔が来てくれてるだけで、私は救われてるから」 「ならよかったよ」 俺は楓の頭を撫でた。 「あれ?おじさんは?」 「今日は仕事みたい」 「珍しいな」 楓のお父さんは、どっかの製薬会社に勤務している。 結構重要なポストなのにあまり仕事に行かなくていいらしい。
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