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俺は《骸骨男》に半分感謝しながら、半分恨んでいた。
俺じゃ救えなかった楓を救ってくれた事は感謝している。
だが、生身の人間が塵となるような威力を出した事は恨んでいた。
だが、楓は今も笑っている。
なら俺は、それだけで幸せだった。
「そろそろ面会時間の方が・・・」
「解りました」
俺は看護師さんに言われるままにした。
「また来る」
「うん。じゃあね」
「じゃあな」
俺は荷物を持ち、病室を出た。
空は既に暗くなっていた。
そして冷たい夜風が俺の身体を平気で貫いた。
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