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あぁ!寒いっ!
寒い寒いさぁっむ~い!
苛立ちながら歩く足を早める。
足音は立てない。気配を消すのは得意だ。
更には雨のおかげで気配なんて感じられるハズがない。
周りを見渡すと戦う者ばかり。
雑魚なんて一々相手しないで頭から潰せば良いのに。
深いため息を外に逃がす。
自然と足はまた早くなる。
行く宛なんて決めていない。
しかし自分の五感がこっちだと告げている。
早く早く早く。
いつの間にか走ってしまっていた。
無音で走るのはまるで鳥の様。
「…崖?」
崖に当たってしまった。
五感は外れなのだろうか…。
しかしその思いはすぐに消える。
下を見ると小さく人だかりが見えた。
「やっぱり」
ビンゴ!って感じかな。
口端をつり上げながら、崖から飛び降りる。
そう、まるで鳥。
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