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ーー目をうっすらとあけた。
なかなか剣が降りてこないからだ。
そしてザクッと言う音とともに足元に剣がささる。
これは坊主頭の持っていた剣だ。
持ち主を見ると苦痛の顔をしながら上を見上げていた。
その手には少し長い針が数本。
…ってことは援軍か!
上をすぐに見上げる、そして気がついた。
上ってこの崖から降りてきてるの…?
援軍さん来たのに即死ですかぁぁあ!?
そしてその馬鹿な人物を発見した。
女の子?
茶色い長い髪にさらに茶色い目は大きいのだが少し鋭さが感じる。
服装は全身真っ白で裾は長い。
そんな子が地面につく寸前。
自分にはそんなの止められる力がなくて。
しかし、その心配も杞憂に終わった。
地面を押すように手を動かした彼女は、空中に一瞬止まると綺麗に着地した。
真っ白なその人は女神、いや、まるで天使のような。
そんな風に感じられた。
その子は俺を見る。
「あ、ありがとう」
一応お礼を言ってみたが見事にスルーしてそのまま見続けてくる。
雨が辺りを濡らしながら降っているが、時間が止まった気さえもした。
「お…のれぇええ!」
しかし、坊主が再び止まっていた時を動かす。
剣を拾い上げ、鋭い一閃は彼女を貫くには強すぎるほど。
しかし彼女は俺を見据えたまま。避ける素振りすらしない。
「うるさい…」
彼女が歪んだかと思うと腰にささっていた短刀で坊主の剣を弾くと、人睨み。
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