偶然の産物

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祖母の家から公園へ行くには、高速道路に繋がるアクセス道路沿いの信号を渡り。 車道側の路肩、道路に面している敷地で営業している携帯電話ショップを右折。すると、この町では珍しい十二階建てのマンションに出会う。 そのヨーロピアン調のシックなたたずまいをぐるりと囲むように伸びた、比較的細い路地を抜けると、僕が出勤しているバイト先、コンビニが見えてくる。 公園は、そのコンビニの目の前だった。 僕は、歩く足を止めた。 コンビニの前を通っている道路。その脇に一本、歩行者の安全を守っている信号機がある。 そこに、例のビニール傘を持った不思議な女性を見つけたのだ……。 以前、初めて見かけた時と違い二回目であるわけで、驚きと新鮮さは欠けているはずなのに、僕は声が出なかった。 僕はやはり、恋をしていた。 僕の一方的な恋慕をよそに、彼女は信号が赤から青に変わるのを静かに待っている。
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