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桜散る
「じゃあ、またね~!」
里衣子の家で遊んでいた美樹達が次々と帰っていく。
お菓子の残骸を片付けながら、皆で使ったコップを洗う。
―そろそろカーテン閉めなきゃ。
窓辺に行き、夕焼けがすっかり終わり、夜の空気が冷たいのを感じた。
―トゥルルルッ
突然家の電話が鳴り出す。
「ママ達かな?もうすぐ駅に着く時間だもんね。」
いつもの甘ったるい母親の声を想像した。
「はい、佐々木ですが…。」
『佐々木さんのお宅ですか?』
「はい。」
『突然のご連絡で申し訳ありません。私、〇〇警察署の―…。』
あとの言葉は、記憶には残っていない。
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