末裔

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「では、クロム殿・・・ご武運を・・・・・・」  敬礼を交わし合い、隊長が向こうを向くまで敬礼のまま待っていると隊長は何かに気付いたように振り返り歩み寄って来た。 「クロム殿、武器などはどうなさいましたか?まさか装備が無いのでは・・・・・・」 「心配はいらない、黙って待っていろ」  不安な気持ちが表情にはっきり出た顔で頷き背中を向けた隊長はテントへ入っり、それを確認してから遺跡ではなくもう雪が積もり始めたバイクに向かった。  バイクの座席を開くと四桁式番号ロックのアタッシュケースが更に厳重に何重にも鎖で縛り付けてあった、しかしその鎖は意図も簡単に解かれた。 「解」 一言で一瞬鎖が弾け飛び、それはしなりながらずり落ちた。
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