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慌てた男は、疲れ切った体に鞭打ってまた足を動かす。
そして、すぐ近くにあった建物のドアに入ると急いで鍵を閉める。
「はぁ~…。」
男は床に座り込み、大きく息をはいた。
「なんとかして早くここから逃げ…。」
男が独り言をつぶやこうとした時、それは途中までしかでてこなかった。
突然、男から真上に向かって真っ赤な噴水が立ちのぼる。
「あっ…、う…、ぁぁ…。」
男は目を大きく見開き、全身を痙攣させた。
そして、やがて力なくゆっくりとその目を閉じていく。
その刹那、男はやっと何が起きたのかを理解した。
ああ、そうか、自分は死ぬのか…。
痛みに耐えられなくなった男は、そのまま気を失う。
そしてその後、二度と目を覚ます事はなかった…。
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