死の淵へ

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「ふん。英雄とはな。どうせただ逃げ回って、運よく生き延びただけなんだろ?」 男はあからさまに喧嘩腰で一人の日本人に詰め寄った。 しかし、その日本人はふっと不敵な笑みを浮かべて男に返した。 「ふん。映画やゲームでもそうだが、必ず一人はいるんだよな、白人至上主義の頭の固い奴が。 まっ、そういう奴に限って真っ先に死ぬんだがな。見るも無惨な死体になって。」 「なんだと!この野郎!」 「おい!よせ!何も始まっていないのに、こんな所で仲間割れなんかしてどうする!」 詰め寄った男が日本人の胸倉を掴み、まさに一触即発だったところを、リーダーがその手を払い、すんでのところで止めに入った。
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