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世界に広がる大陸、アスティアの辺境にある街 「イステル」
その夜明けの光の中――
「あ~ 疲れた。 たく、なんだってこんな遅くに仕事頼むかな~ ははっ もう空明けかかってんじゃねえか。 いくらお得意さんとはいえ度が過ぎるぜ、ったく」
ぼやく青年が一人。
そしてその背には一人の少年が。 少年の頬にはさっきまでの孤独の名残香のように涙の跡が僅かに残っていたが、今は泣いていたのが嘘のようにぐっすりと眠っている。
「おまけにこんな拾いもんだ。 こいつ、どうすっかな~ まぁ明日考えっか」
ぼやきにぼやいた青年は、我が身の不幸をひたすら嘆きながら夜明けの街を歩いていった――
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