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雨と小人
一人寂しく過ごす小人がいました。
小人は寂しさのあまり、泥を練り固めた自分そっくりの泥の塊を作ります。
すると、その泥の塊はまるで自分が目の前に現れたみたいに動き回り始め、しゃべりました。
自分とそっくりなので小人は自分の名前をあげました。
しばらくのあいだ小人は泥の小人と暮らします。しかし、泥の小人は言いました。
「僕は君とは違う、だからやっぱり君は一人なんだ」
その言葉を聞いた小人は、泥の小人と別れ自分の本当に大切な人を探しに出掛けました。
小人は運命をともにする相手を見つけ、子孫を残してこの世から去ってしまいました。
泥の小人は自分一人作られた存在を知っていました。
同じように泥を練り固めて、仲間を作り家を作りました。
しかし、ある時雨が泥の小人を襲いました。
慌て小人の子孫は泥の小人のもとへと向かいます。
泥の小人は半分溶け始めていて、駆けつけた小人の子孫と始めて会いました。
「君は小人ではないね」
小人の子孫の一人が言いました。
「小人はもう死んでしまったよ。僕たちはその子孫だよ」
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